資金繰りコンサルタントとして活躍する『赤沼慎太郎』が選ぶ10冊。「本は著者の渾身の一冊」-前編-

信用が無くなったら命取り

私のお客様は中小企業ですが、多くの中小企業は、キャッシュフローを改善するために増資をするといった大企業のような施策をとることができませんし、裏技的にキャッシュを増やす手段は基本的にはありません。

 

そのため、日頃からコツコツと管理していくことがとても大切です。社長の給与を一時的に下げて損益を回復させるようなことは書面上は可能です。ですが、それは根本的な解決ではありません。

 

特に、手形取引のある会社にとって資金繰りは、極めて重要です。もし支払手形の決済ができなければ、不渡りとなり、6か月以内に2度不渡りを出したら、銀行取引停止の処分を受けるなど、信用を一挙に失います。また、手形取引でなくとも、買掛先への支払いの約束を破ってしまってしまえば、その先その取引先との信頼関係はなくなります。つまり、キャッシュが無いばかりに社外のステークホルダーとの約束が果たされなければ、一度の失敗でその会社が潰れかねない状況に陥る危険性があるのです。

 

普段からしっかりと管理できていないために、いざという時に後手後手となり、そのまま倒産してしまう会社もあります。相談にいらっしゃる会社の中には、手形が不渡りになってしまう直前で相談に来られることもあって、その場合は大変です。手形決済日まで1週間もないなど、時間的な余裕がないと、やれることは非常に限られてしまいますが、最悪の事態を回避するために最善を尽くすサポートをするのも私たちの仕事です。

 

会計・資金繰りで経営を振り返る

さおだけ屋はなぜ潰れないのか』という一時期話題になった本を知っていますか?この本もストーリーと混ざりながら会計を学ぶことができるオススメの本です。

難しい専門用語を使わずに、会計の本質を捉えている本です。在庫と資金繰りの関係性を含め、身近な疑問から会計を学ぶことができるので、こちらも数字に苦手意識のある経営者に読んでいただきたいです。

 

V字回復の経営』も資金繰りが何なのかを知るのにはいい本だと思います。「V字回復」という言葉は最近では当たり前のように使われている言葉ですが、その言葉を流行らせた本でもあり、経営をどうするかという観点から資金繰りを知りたいと考えた方はこの本から読んでみると良いと思います。物語の舞台は大企業ですが、中小企業にも通ずるところがたくさんあります。

 

最初の一歩はどんなにわかりやすいものでも構わないので、会計の果たす役割を知ることのできる本を手にとって、自分の経営に対する考え方を振り返る機会にして欲しいです。

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