経営・ビジネスを人間心理から分析する経営心理学の『藤田耕司』が選ぶ必読7冊。-前編-

プロフェッショナルとしての経営心理学

野球サークルが落ち着いて、大学3年生の途中で公認会計士を目指すことを決意します。

その時は就職したい企業も、やりたい仕事もなかったので、新卒採用の機会を捨て、受験勉強に専念しました。ここでも大学受験の際に活用した記憶の研究の内容が大いに役に立ち、無事に合格することができました。

 

公認会計士試験合格後、私は監査法人に入所しますが、公認会計士に合格する前からずっとやりたいと思っていたのが、社長を集めた異業種交流会の主催でした。最初は、手当たり次第にmixiに掲載されている異業種交流会に参加し、自分の交流会の参加者を集める地道な勧誘活動をしていました。すると、六本木ヒルズのヒルズクラブの会員券を持っている社長と仲良くなり、その社長の協力のもと、ヒルズクラブで経営者交流会を定期的に開くようになりました。「ヒルズクラブで経営者交流会を主催している会計士がいるらしい」。その噂が広まり、毎回30~60人くらいの方が参加する交流会に発展していきました。そこで私はビジネスで相乗効果が生まれそうな参加者同士を交流会でお繋ぎすることを繰り返すうちに、様々な会社のビジネスモデルを理解するようになり、経営者の方々と親睦も深めていきました。

 

親睦を深めた様々な経営者と頻繁に飲みに行くようになり、私が会計士ということもあって、経営者の方々からはよく経営の相談をされました。そういった相談を聴く中で気付いたのは、業種・業界・規模を問わず、経営者が悩んでいることはほぼ同じだということでした。その悩みの中で特に多いものが2つあります。1つは従業員のモチベーションを上げたいということ。もう1つは売り上げを伸ばしたいということです。

 

私の理解では、この二つはどちらも「人」についての悩みです。前者は従業員という「人」の悩み、後者はお客様という「人」の悩みです。勉強をする前に脳の勉強をするのと同じように、人を動かすためには人の性質の勉強をする必要があります。また、人の性質を知った上でコミュニケーションができれば、人を動かすことができる可能性は高くなります。こういった経営者からのご相談に対して心理学や脳科学に基づいてアドバイスをすると、納得し、成果を出される経営者も多く、人間の心や脳の性質を理解することは、経営やビジネスの成果を高めることに繋がるということを知りました。

 

人間の性質に基づいてマネジメントしろ

世の中には、偉大な経営者のエピソードや経営手法に関する書籍はたくさんあります。しかし、そう言った書籍を読んでも普通の人にその内容を再現することは難しいものです。そこで、経営・ビジネスで高い成果を収めている人たちの行動を心理的に説明し、自らも再現できる形でお伝えするのが経営心理学です。

 

例えばマネジメントを行うにしても、その相手は人間ですし、その主体となる自分も人間です。だからこそ人間の性質を勉強することはマネジメントの基本となります。そういった人間の性質を学んだうえで、取るべきアクションを起こし、コミュニケーションを通じて人に影響を与えていくことが重要になります。

部下を持つ方やチームを引っ張る方に、まず必要な知識として人間の性質を学んでほしい。その思いで書いたのが自著の『リーダーのための経営心理学』です。この本は現在、台湾や韓国でも翻訳され、日本を含め世界3ヶ国で出版されています。

(後編に続く)

 

※インタビューをもとに作成
インタビュー:青木郷師、文章:高井涼史

Book List

ブレイン・ルールジョン メディナ (著) 日本放送出版協会

心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす』ジェラルド・ザルトマン (著) ダイヤモンド社

リーダーのための経営心理学 ―人を動かし導く50の心の性質』藤田 耕司 (著) 日本経済新聞出版社

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