Next Commons Lab 林篤志氏が語る 現場での肌感覚の重要性 “読書は答え合わせ”

リアルな結びつきの価値

「地方」でのリアルな結びつきは、これからの時代では相対的に価値が上がってくるだろうと考えています。

オンラインの強みや利便性は十分にありますが、、現時点では限界があります。ご飯を一緒に食べたり、快適に寝る場所が必要だったりと、人間の生活はまだオンラインで完結しそうにありません。

となると、リアルな結びつきの中で他者とどのような対話を重ね、ともに何かをつくることは重要な営みになります。現在の「都市部」を見てもらえばわかるように、人と密接な関係性を築ける機会は減り、何をするにもお金がかかります。一方で「地方」ではお互いに顔が見え、暮らしを伴うコミュニティは作りやすい。お金をあまりかけず新しい挑戦ができる創造の余白があることも「地方」の強みになります。

 

読書は答え合わせ

新しい技術などの情報のキャッチアップをする目的で、本を読んだりすることはほとんどありません。

新しい技術など目新しい情報は、ウェブを介して手に入れることができます。それを深く掘り下げるよりは、その新しい情報を「自分たちの暮らしにどう組み込めるか」「社会にどう活かすことができるのか」という活用方法について考えることが多いです。そして新しい社会づくりに活かしていくために、それらの情報や事象を抽象化して考えていきます。

 

ソーシャルなプロジェクトに取り組んでいる人に必携書としてオススメしたいのが社会学入門』『社会的共通資本の2冊です。

自分たちが生きている社会は、どのような関係性で構成されているのか、その背景にある文化や文脈は何かを考える社会学的視点を知っておいて損はありません。『社会学入門』を読んだことで、自分が今までやってきたことを高い視座をもって捉え直すことができました。

『社会的共通資本』は、経済学者の宇沢弘文氏が提唱した概念をまとめたもので、人間と自然が豊かに生きていくための社会基盤をどのようにつくっていくのかがテーマとなっています。「ポスト資本主義」について考えるときに、自分が考えていたこととの共通点・相違点を確認でき、かつ大きなインスピレーションをいただきました。新しい社会をつくっていきたいと考える人は読んでおくべき本だと思います。

 

常に本は、一次ソースではありません。現場や社会で起きていたことがまとめられたり、そこに考察が加わったり、また物語になったりしたものがほとんどです。だから、現場に出ることがもっとも大切だと思っています。

現場に出向き、現場で感じたことを再認識するために読書したり、普段から感覚的に考えていることの骨格を読書から得たり。いわば、読書を通して「答え合わせ」しているといった感じです。

最近では香港に実際に行き、新たな肌感覚を得てきました。やっぱり報道されている情報を見聞きするだけでなく、現場に行くことで感じられる圧倒的熱量がありましたね。

 

新しい社会をつくっていくフィールドとして、現場の「地方」は可能性に満ちています。今後も、多種多様な人たちを巻き込んでいきながら、Next Commons Labを前に進めていこうと考えています。

 

Book List

『社会学入門―人間と社会の未来』 見田 宗介 (著) 岩波書店

『社会的共通資本』 宇沢 弘文 (著) 岩波書店

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