LINE社長 出澤剛氏 「ビジネスモデルの賞味期限は短くなっている」 “飽くなき挑戦と座右の書” -前編-

「スマートポータル」を目指す

そもそも私たちLINEがスマホに着目したのは、スマホがこれまでにないデバイスであると考えたことに由来します。

スマホは人間がはじめて直感的に身につけることができるようになったデバイスです。例えば、これまでのテレビやPCでは情報にアクセスするために、そのディスプレイの前に行き操作する必要がありました。ですが、スマホは身につけて行動することができる上に、指で直接触って操作できます。

 

そこにLINEはコミュニケーションという人間の根幹とも言える行動を可能にする、メッセンジャーアプリを作ったことでLINEのサービスの根幹が出来上がったと言えます。

それからLINEはただのコミュニケーションツールにとどまらない、「スマートポータル」という存在を目指すことにしました。簡単に言えば、「LINEが生活すべての入り口になる」ということです。

友達と競いながら遊ぶことのできるゲーム「LINE ディズニーツムツム」やプロフィール画面にBGMをつけることができる「LINE Music」、友達間で送金できる「LINE pay」など、コミュニケーションの基点であるLINEだからこその価値を提供できるようにしています。

 

ビジネスモデルの賞味期限が短くなっている

LINEは多くの分野に積極的な投資をしている印象があると思います。これはある種、GAFAをはじめとしたテクノロジー業界のトレンドとも言えますが、その背景には「ビジネスモデルの消費期間が短くなっている」ことが挙げられると思います。

アメリカのフォーチュン誌が毎年発表する、総収益が最も多い500社をリストアップした「fortune 500」に挙げられる企業でも、現在においては企業の平均寿命が約15年まで短くなったという調査があります。1950年時の約75年というところから大幅に短くなりました。グローバル化やテクノロジーの進化のなかでビジネスの賞味期限がどんどんと短くなるなかで、既存の事業を守ることのみに汲々とし、リスクを取って挑戦することを怠ることはその企業の緩やかな死を意味すると考えています。

そのような考え方の上でLINEはモバイルペイメントやAI、ブロックチェーン分野などへ大胆な多岐にわたる投資を行なっています。ただその中でも一貫して「コミュニケーション」を軸に価値提供を行なうことが、LINEが挑戦する意味だと信じています。

 

私はいまだに変化がすくなく、参入障壁の高い分野として、医療・金融・行政の3つがあると思います。人の命、お金、国家とそれぞれ非常に大事な分野だからこそ、技術革新よりも安定が求められ、利用者が得られるサービスが時代遅れだったり、不合理の塊であったりする場合が多いのです。

LINEが現在フォーカスしているのが、「お金」の分野です。「お財布を持ち歩きたくない」「バイト代がその日のうちに振り込まれたらいいのに」「お店の決算を簡単にできたらいいのに」など、電子決済によって解決できるニーズは山ほどあります。テクノロジーが解決できる問題を見つけ出し、そのソリューションの入り口となれるようにLINEは日々挑戦しています。

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