プロデューサー『角田陽一郎』が選ぶプロデュースに活きる4冊。”読書は時空間の移動ができるもの”

プロデュースに活きる4冊

仕事道楽』   鈴木敏夫/著 岩波書店

これはジブリのプロデューサーである著者の鈴木敏夫さんがジブリの成り立ちについて書いた本で、プロデューサーになりたいなら絶対読んだ方がいいですね。

鈴木敏夫さんは現在は日本一のアニメプロデューサーなのに、もともと週刊アサヒ芸能の芸能記者なんですよ。その後、徳間書店でアニメの雑誌を作るから編集長やれと言われて、全然アニメに詳しくない中で担当した。最初はどんなアニメが流行っているのかわからないから女子高生とかに聞くわけです。そうしたら、高畑勲さんの名前が出て、高畑さんにインタビューを申し込みました。すると電話で1時間くらいかけて、「なぜ僕があなたのインタビューを断るのか」を語られて、しまいには「横にいるこの男ならインタビューを受けるかもしれない」と言われて電話をかわったのが、宮崎駿さんだったんですよ。それが二人の出会いなんですよね。そこからスタジオジブリを作るまでのことなどが書いてあってかなり勉強になります。

あと、『風の谷のナウシカ』を映画化した時の話もあります。宮崎さんは『ルパン3世カリオストロの城』で映画デビューしました。その後、ナウシカを作るまで5年間空いていたんです。その期間、何をしていたのかというと、実は干されていたんです。あんな名作が興行が不入りで。カリオストロの時に鈴木さんと宮崎さんが出会って、鈴木さんは「宮崎さんは天才だ」と思ったそうです。絶対次回作を作らせたい!って。で、まずナウシカの原作を雑誌で連載させたんです。そして、映画会社やテレビ局の人に誇張して伝えたんです。「今この漫画が話題です。」と。そして、映画の企画が実現したのです。このように、天才だと思った人にどう映画を作らせるかという話が書いてあって、あらゆることのプロデュースに対して、重要な鈴木さんの哲学が学べます。専門家ではなくても頑張れば専門家になれてしまうのだと。

 

ない仕事の作り方』   みうらじゅん/著 文藝春秋

「ゆるキャラ」とか「いやげもの」とか、ない仕事をどう作るかというプロデュース術が書いてあります。そうは言いながら、プロデュースは単純にアイデアをだすことではなく、みうらさんは、代理店とか出版社の人と飲んで関係性を作り、ゆるキャラとか仏像とかのような話を多くしていく中で、「見仏記」が実現できたりしています。アイデアを考えるだけではなく、それをいかに実行していくか。仕事をプロデュースしたいなら、みうらじゅんさんのこの本は絶対読んだ方がいいですね。

文学部唯野教授』   筒井康隆/著 岩波書店

これは、僕が学生時代に読んで、テレビ局に入るきっかけになった本ですね。文学部の教授の小説なんですけど、1章はストーリーで2章は授業、3章はストーリーで4章は授業。授業は文学論になっています。一冊読むと文学論が全部わかる。つまりメタフィクション構造の小説なんですよ。その時メタフィクションというものを初めて知りましたが(笑)小説としても面白いけど、読むだけでソシュールの記号論とか全部わかる。哲学の用語とかも理解できて、すごいなと思いました。

サルでも描けるマンガ教室』   相原コージ、竹熊健太郎/著 小学館

この本は略してサルマンと言います。バクマンはサルマンのオマージュですね。漫画家志望の若者が「これから漫画家として有名になるぜ」という時に、タイトルをどうするかとか、テーマ決めとか、漫画作りの講座になっている。つまりこれもメタフィクションになっている。タイトルを決めたら、どの出版社に持っていくかの話があり、ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオンなどの傾向と対策が書いてあり、その詳細な解説がすっごい面白いんですよね。

つまり、ただストーリーを進めていくのではなくその中にメソッドを入れるのは非常に面白いなと感じて、それを番組でやりたいと思って、テレビ局に入りました。もしクリエイターになりたいなら、文学部唯野教授とサルマンは絶対に読むべきですね.

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