慶應義塾常任理事 國領二郎が語る “ITがもたらしたビジネスモデルの変容” と愛読の4冊。

「テクノロジーは、サプライヤーのためではなく、コンシューマーのためであるべきだ」経営情報システムの分野で第一線を走り続けている國領二郎氏は、テクノロジーがもたらした  “現代のビジネスモデル”に持論を展開する。

ハーバード大経営学博士(1992年)・慶應義塾大学常任理事(現任)とアカデミアに邁進。一方でJINSやQONで社外取締役を務めビジネスの最前線も見つめる國領氏の“学び”に、関連書籍に絡めながら迫る。

<経歴>
1982年東京大学経済学部卒。日本電信電話公社入社。92年ハーバード・ビジネス・スクール経営学博士。1993年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助教授。 2000年同教授。2003年同大学環境情報学部教授などを経て、09年総合政策学部長。2005年から2009年までSFC研究所長も務める。2013年より慶應義塾常任理事に就任。

読書は、断片的な知識ではなく体系的な学び

まず始めに、普段の読書について尋ねると「たくさん読みます。職業柄ね…」と気さくに口を開いた。

読書するのは物事の本質についてじっくりと考える時です。断片的な知識というよりも体系的な学びをする時には、やっぱり本が1番良いと思います。」

続けて、國領氏は読書についてこう言及する。

「実は、流行りの話題について触れたビジネス書はあまり読まないんです。テクノロジー系だと読むこともありますが、気になったことについてはまずネットで調べるようにしています。」

國領氏の情報に対する接し方はとても慎重だ。本に書かれているからといって正しいかと言われればそうではないと切り捨て、情報との接し方で意識していることを紹介する。

1. 情報のソースを確認する

2. 書籍の著者や記事のライターを確認する

3. 客観性を持った分析がされているかを確認する

4. 複数の情報を参照して、比較する

ネットには多くの信用ならない情報が存在するが、ネットだけではなく書籍についても同様に情報リテラシーが求められているのかもしれない。

物事を歴史的な文脈で考える

1930年代に書かれた『Technics and Civilization』を取り出しながら、嬉しそうに國領氏は語る。

「第二次産業革命後に、人類に初めて“技術に対する恐怖感が生まれた”のが伝わってくる本で、テクノロジーの本質を考えるのにとてもいい本なんです。ビジネスマン向けではないかもしれませんが。」

Technics and Civilization』はまさに、その変化の渦中で書かれた本だ。そして現在でも、AIによるシンギュラリティなど、現代でも技術に対する恐怖心は人々の間に存在し続ける。歴史的な文脈で考え事をするのが好きだという國領氏らしいオススメの一冊だ。

そして、これからの時代を生きる起業家にぜひ読んでほしいと言って、もう一冊を取り出した。『The Age of Access』だ。

「20年前に書かれた本なのですが、現在に至るまでのビジネスモデルの変化を見事に予測した一冊です。具体的には、大量生産・大量販売のマスマーケティングのビジネスモデルから、サブスクリプションやシェアリングエコノミーなどに。“所有権”を売るモデルから“利用権”を売るモデルへの変容を見事に予測しているのです。新しいビジネスモデルをこれから考える人は読んでおくといいかもしれません。」

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