ブレインパッド代表取締役『草野隆史』が描く日本のデータ社会の未来とお薦めの本3冊

業界のトップを走る「プロフェッショナル」が薦める本とは?読書をもっと面白くする実名ソーシャルリーディングアプリReadHubが、独自インタビューをお届けするReadHubTIMES。日本のデータマイニングのリーディングカンパニーであるブレインパッド代表取締役の草野隆史氏。草野氏が起業時に大きな影響を受けたオススメの本をご紹介する。【Professional Library】

 

1997年、慶應義塾大学大学院政策・ メディア研究科修士課程修了。サ ン・マイクロシステムズ等を経て、 2004年3月ブレインパッドを設立。

現在、株式会社ブレインパッド代表取締役。一般社団法人データサイエン ティスト協会の代表理事も務める。

 

データ活用領域で日本は遅れをとっている

ブレインパッドは現在、データ活用領域のリーディングカンパニーとして多くの企業から信頼をいただいております。2004年の創業以来、1000社以上を超える企業のデータ活用を支えてきました。

また、アナリティクスだけではなく、ビジネス・エンジニアリングの知見も会社に蓄積してきました。これにより、コンセプトデザインから運用による成果の創出に至るまで、すべてをサポートすることができる企業と言えると思います。

現在でこそ「ビッグデータ」のようなバズワードを含め、多く注目される領域になったデータマイニングも、創業当初は一般的ではありませんでした。

 

特に日本では、データ分析というものが浸透するまでには時間がかかりました。この日本がデータ活用領域で遅れをとった要因は大きく2つあると考えています。

1つ目は、そもそもデータを生み出すITに対する考え方です。日本の企業がIT化を進める主たる目的はコスト削減です。対して先行する諸外国の企業はITを、競争優位性のための攻めの施策として活用しています。いわゆる攻めのITですが、だからこそ、そこでの成功確率を高めるために、分析が進みました。

2つ目は、マーケティングの環境の違いです。かつて、日本では、マスに広告を打つことで十分に物を売ることができました。一方で、アメリカは、早くから貧富の差や人種の違い、言語の多様性から市場がモザイクでした。これに対応するため、早くからダイレクトマーケティングが発達し、そこでのデータ分析の必要性が高まりました。

これらの理由で、データ活用の領域においては、日本が遅れをとってしまっているのが事実です。情報化社会でそれらの差を盛り返す機会を提供するのが、ブレインパッドのサービスだと思います。

 

「ベンチャーである」意味は「巻き起こす変化」にあり

そもそも私が大学院に入った1番の理由は、「大企業に就職したい」と考えなかったことにあります。つまり、やりたいことが見つからなかったから大学院に進学して、決断を2年間先延ばしにしたということです。

そして大学院での必要な単位を取得してからは、WEB制作等でお金を稼いでいました。ここで、大まかにどのように稼げば良いのかを心得たと感じた私は、いったん社会を見ておくという目的でサン・マイクロシステムズに就職しました。

2年サン・マイクロシステムズで過ごした頃に、大学院時代に一緒にWEB制作をしていた友人から誘われ、フリービット・ドットコムという会社(現フリービット株式会社 東証一部上場)で取締役を経験しました。そしてその後、2004年3月にブレインパッドを創業しました。

 

この創業時はひたすら「これからの日本に何が必要か」ということを考えました。当時からも容易に予測することができた大きなトレンドは「人口減少」と「データの増大」でした。

放って置いたら起こらない社会の変化を、誰かがリスクをとって起こすことこそが、「ベンチャー」の存在意義であると思っていた私は、現在のブレインパッドのサービスを作ることを決意しました。

起業時は、1990年代に一度データマイニングのバブルがあったものの、それが日本に根付かなかったことを理由に多くの人に反対されました。でも、それは逆に競合がなかなか生まれないことを意味しています。当時、ちょうど『ブルーオーシャン戦略』が出版されてすぐの頃で、当時この本を読んでいた私は「まさにこのことだ」と自分の考えに自信を持ちました。

 

現在でも、自分の目指すところを他の企業とは少しずらすことで、新しい価値を提供しつつ競争を避けるという考え方には共感しています。日本のマーケットは小さいわけでは無いことで、複数の大きな会社が国内で競い合い、体力を削ってしまう例が多いですよね。

例えばQRコード決済で言えば、中国では2社がマーケットシェアを握っている反面、日本では中国の10分の1の規模のマーケットで5,6社が争っているという感じです。レッドオーシャンで戦うのはどの会社にとっても良い選択とは言い切れないので、『ブルーオーシャン戦略』は企業の戦略を考える前に、読んで損がない本だと思います。

最新情報をチェックしよう!