稲盛和夫の”生き方”が生んだ「日本一裁判をしない弁護士」の『三谷淳』がお薦めする6冊。-前編-

従業員を惚れさせろ

稲盛和夫さんと始めてお会いしたのは、ちょうどJALの再建を行っていた時でした。JALの再建を引っ張っていた時、稲盛さんは無給でも「利他の心」を体現するように必死に取り組んでいました。そこに「従業員を惚れさせんかい」という言葉の真意を感じます。

稲盛和夫さんの発言の説得力は、行動と一致することで生まれていました。「社長は従業員のために働く」という盛和塾で学んだ考え方とも一致していて、稲盛和夫さんの凄さを体感しました。

しかし、自分が実際に従業員を惚れさせる、というのは簡単なことではありません。私が悩んで相談をした私心理カウンセラーさんから、「偉大な経営者は心理学を勉強している」というヒントを聞きました。そこで、心理学に関する本を30冊くらい買ってきて読み漁りました。

そこで断トツ刺さったのが、『リーダーの為の経営心理学』という本です。経営心理学を体系的に説明していて、「従業員を惚れさせんかい」を体現するのに一番参考になった本です。部下が本気になってくれないとか、部下をもっと成長させたいと考えている人に是非読んでいただきたいです。

 

利他の心が生んだ「日本一裁判をしない弁護士」

「利他の心」と先ほど何気なく話しましたが、これは現在私が「日本一裁判をしない弁護士」をキャッチフレーズにするようになったきっかけの考え方です。「利他の心」は、簡単に言えば「自分だけが良ければ良い」とは真逆の考え方です。

例えば、ご存知の通り、裁判では勝訴・敗訴の結果がでます。もちろん、裁判になった時には勝訴を目指すのが我々弁護士の仕事です。独立したばかりで調子に乗っていた私は裁判での勝訴だけを目指し、報酬をお客様からいただくことが全てだと思っていました。ですが、「利他の心」に基づいて考えてみると、これは正しくありませんでした。

法廷での争いとなると、費用もかかりますし時間もかかります。そして、裁判で勝訴を収めても方法を選ばなければ先方との関係性が悪くなってしまうことも少なくないです。そもそも、裁判をしたいというお客様はどこにもいません。「利他の心」で考えると、お互いのことを思いやるのでトラブルが起きなくなります。そういう姿勢のおかげで、トラブルを予防するために顧問契約をしたいと来てくれるお客様もできるようになりました。

最近では、徹底的な紛争の予防とトラブルのスピード解決を徹底的に研究するようになっています。弁護士に求められているのは、裁判で勝つことではないと気づき、今では私のことを皆さんが「日本一裁判をしない弁護士」と呼んでいただけるようになりました。

(後編へ続く)

※インタビューをもとに作成
インタビュー:青木郷師、文章:高井涼史

Book List

憲法芦部 信喜 (著) 岩波書店

京セラフィロソフィ稲盛和夫  (著) サンマーク出版

リーダーのための経営心理学藤田 耕司 (著) 日本経済新聞出版社

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