プレゼンの神様『澤円』が薦める5冊。”読書は物事の解像度と捉え方を変える”

本は物事の解像度と捉え方を変える

本は言葉で全てが表現されているものなので、どのようなつながりや言葉遣いで物事を表現できるのかを学べます。特に小説などは、ありふれたものをかなり解像度高く表現していて、世の中の事象を普段と違う解像度で見ることができます。

僕が好きな作家に片岡義男さんという方がいます。片岡さんは非常に多くの本を出版されていましたが、そこに書かれているのは無機質で淡々と表現されたものです。誰か一人に肩入れすることもなく、ドラマティックに書くこともない。空中にカメラが浮いていて、カメラが撮影しているものを説明するような作品です。しかし、ひとつひとつを見ると例えば一杯のコーヒーがとても美味しそうに感じられるたり、リンゴがすごく美味しそうに描かれている。

小説は日常的に目に入るものに対してかなり役に立ち、ビジネス書は世の中で起きている事を細かく見るときにすごく役に立つ。身の回りにあるものにアンテナを立てて、興味を持って情報を収集するといろんな学びがあります。コミュニケーションや仕事など、世の中に対する解像度を上げると、興味の範囲が変わったり、納得感が上がってきたりする。これはプレゼンにも繋がります。プレゼンテーションというものは当たり前に思っていたけど、実は知らなかったというものが一番ウケるので。

例えば、泥棒の捉え方次第で防犯に対する考え方が全く変わります。一般的には泥棒に入られたことない方が多いと思いますが、泥棒に入られると思ってて入られる人はいません。もう一歩踏み込んだ表現をすると、盗まれる事は、入られる側ではなく、泥棒側に理由があるんですね。そのため、盗まれるものはないだろうという自分の視点で見ていてはダメです。自分はわからないけど、盗まれる理由がどこかにあるかもしれないから、防犯は必要だというマインドセットにすることが大切です。あなたの判断で「盗まれるものがない」というのは理由になりません。

これは全員が防犯やセキュリティに当事者意識を持ってもらうために有効です。この話はセキュリティの話をするときに必ず使うテクニックです。うちには盗まれるデータはないから大丈夫だという人いますよね。自分のパソコンには機密データは入ってないから大丈夫と。でもそれを決めるのはみなさんではなく、泥棒です。そして、盗まれたらどういう使われ方をするかはわからない。

例えば、パソコンがハッキングされた時に、この中には大したデータはないからいいやと思うかもしれない。でも、あなたのアドレスを使って、大事な友達の銀行口座が空っぽになるかもしれないんです。それも100人以上。みんな、あなたのメールアドレスからきてそうなったとしたら、自分は関係ないと言い切れますか? 100人の人は「何やってんだよ」となります。泥棒への捉え方を変える必要があるんです。

この泥棒の話のように、本を読むと物事の解像度や物事を捉えるスコープが広がり、エピソードとして話せる引き出しが増えます。

 

自分をもっと解放していい

私の著書『あたりまえを疑え。』では、もっと自分を解放していいというのと、ほとんどのルールは意味がないということを語っています。

例えば、会社に勤めると、毎朝出勤しないといけない。僕はそもそもなんで出勤するのかわかりません。出勤すると会社は儲かるんですか?出勤と売上は直結してないですよね。いろんな企業で朝9時に出勤しろっていいますけど、電車混むし、疲れます。生産性は下がります。出勤する意味が、どこにあるかわかりません。朝9時に行かない程度でガチャガチャいわれる会社なんてやめた方がいいです。

もっと自由になっていいと思うんです。日本は同一性を求めて、その中で何かをしろというのが多い。しかし、もっと各々が個として、自由に生きていいと思います。僕も日本企業出身ですが、その中でのルールはほぼ意味がありません。

最近、学生さんと会うと、「紙の履歴書を提出させてくる企業に行くな」とよく言っています。なぜかというと、入った後に同じことやらされるからです。つまり、非効率な作業を気合いとか根性とか言われてやらされます。あれには意味がない。「おっさん」はそれを押し付けてきます。

若い人にも、女性にも「おっさん」はいます。僕は年齢ではなく、何も考えていない生き物を総称して「おっさん」と呼んでいる。「おっさん」は新しく変わりたいなと思っている人の邪魔になっている状態なので、アンチテーゼとして強めのメッセージを出したいです。おっさんばかりだと誰も元気にならないですからね。もっと自分を解放していいというのと、ほとんどのルールは意味がないということを伝えていきたいです。

 

 BookList

新エバンジェリスト養成講座』 西脇 資晢/著 翔泳社

葉隠』 菅野 覚明、栗原 剛、木澤 景、菅原 令子/著 講談社

リーダーを目指す人の心得』 コリン・パウエル、トニー・コルツ/著 井口 耕二/訳 飛鳥新社

ITビジネスの原理』 尾原 和啓/著 NHK出版

ネクストソサエティ』 P・F・ドラッガー/著 上田 惇生/訳 ダイヤモンド社

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