”歴史を学び、革命を先導しろ”『鈴木寛』が語る必読書10冊 -前編-

自分の軸をもって決断する

僕のこれまでの人生で一番大変だったのは、文部科学副大臣をしていた時に起きた東日本大震災でした。僕は教育を主に担当していたので、学校を閉鎖するか、あるいはいつ再開するのかという判断や、子供たちのメンタルケアの指示など多岐に渡りました。それ以外にも、学校の避難所としての利用や原発の放射線問題にも対応する必要がありました。決断の連続の日々だったからこそ、判断の軸の重要性を感じた日々でした。

僕自身、その軸は明確に持っていました。「第1に、命を守ること。第2に、重篤な後遺症を減らすこと。第3に、心と体の健康を守ること。」です。この軸に基づくことで、自分の中の結論は迷うことはなありませんでしたが、多くが国論を二分するような決断の連続だったので、大きく2つのことは意識していました。1つ目が、関係者の人に理解してもらうこと、2つ目が、最終的な決断までの時間がかかりすぎてしまわないことです。僕は今も東北に関わっていますが、現在も東北の復興の途中です。復興は過去のものではありませんが、当時はとても大変でした。

 

責任を背負う事こそが僕たちが存在する意味

意見が二分された時に、結論を押しつけるだけでは良くない。一緒に考えていくことがとても大切です。僕も『熟議のススメ』という本を書いていますが、公共哲学の考え方で各々の正義がある中で論点を整理することの大切さを伝えています。

僕は学者出身で、構造化したり論点を整理したりといったことは人より得意としていたので、議論の際にはそれが活きました。

しかし、熟議をしても不満は出ます。それぞれの立場があるので、自分の立場を揺るがす結論については、完全な賛成をなかなか得られません。賛成を得る最大限の努力をした上で、賛成が得られなくても、将来の価値のためであれば断固実行します。現在の価値を失う人からは相当叩かれますが、それを背負う覚悟を決める。それが僕たちの仕事です。この責任を背負う事こそが僕たちが存在する意味だと思っています。

そして、その後もコミュニケーションを続け、意見を聞く窓口は開けておく事も意識的に行っています。異なる結論を持っている人でも、問題に対して最善を尽くして解決しようという方をリスペクトしていく。この事は心がけないといけません。

2020年度からの教育改革も、その例の1つです。私はこの教育改革に深く関わっていますが、まさに現在の価値を未来の価値に転換する政策です。この改革は、2020年度からのプログラミング教育必修化、センター試験から共通テストへの大学受験改革を行うものです。そのプロセスでは、現場の先生方に一定の負担を強いることになります。ただ、どれだけ現場の先生方にご理解をいただけるかという事は重要です。そのため最近は、講演や相談会を毎週のように全国で行っています。

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