Takramのデザインエンジニア田川欣哉が薦める4冊。”学びに読書は欠かせない”

デザインを学ぶための名著

僕と同じように、エンジニア出身の人がデザインを学びたい時には、『ジョナサン・アイブ』がお薦めです。『ジョナサン・アイブ』はAppleのチーフ・デザイン・オフィサーを務めた天才デザイナーであるジョナサン・アイブに焦点を当てた本です。スティーブ・ジョブズとともに、 Mac、 Pod、 iPad、iPhoneなど時代のアイコンとなるプロダクトを次々と作りあげた彼の生い立ちを追ったもので、アップルでデザイン部門の責任者として発言力を高めていくまでの半生を描いています。また、マツダのデザイン責任者である前田育男さんの『デザインが日本を変える 日本人の美意識を取り戻す』もお薦めです。この2冊は、スキルを教科書的に解説している本ではなく、デザインがものづくりの現場に入ったときに何がおこるのか、そのエピソードがふんだんに書かれています。デザイナーが入ったパターンのものづくりで、明らかに変わる現場の状況が実践者の目線から生々しく書いてあります。エンジニアがデザインを学びたいと思った時には、「こんな世界もあるんだな」と、まずはそれを知るという意味で、この2冊はよいきっかけになるでしょう。

 

ビジネスに軸足を置いている人には、「トム・ケリー」や「ティム・ブラウン」と検索して出てくる一連のデザイン思考の本を読むのがオススメです。ビジネス系の人は、「観察」、「試作」、「テスト」の一連の流れを身につけることができるようになると、かなり仕事に役立ちます。

 

また、濱口秀司さんの『イノベーションの作法』は上級編としてオススメです。浜口さんは超実践思考で本を出されていて、「デザイン思考いいよ」という啓蒙書ではありません。相当レベルの高いビジネスパーソンしか使いこなせないスキルが書いてありますが、一歩先を目指すビジネスマンにはぜひ読んでもらいたい良書です。

越境する人を増やしたい

自著『イノベーションスキルセット』はエンジニアとビジネス系の人達に、デザインスキルのエッセンスを伝えるための本です。エンジニアやビジネス系の人の中でも、「ユーザーのことをもっと考えないといけない」、「もっといいものを作れるんではないのか」と思っている人たちに読んでもらいたいと筆をとりました。

 

デザインを日々の仕事に取り入れる方法、取り入れることで起きる変化がわかる本になっています。僕は、エンジニアリングとデザインや、ビジネスとデザインの両刀使いが世の中で増えるといいなと思っています。全員ではなくても、10人に1人ぐらい両方を知っている人がいてくれると、いろんなことが前向きに動き始めると思うので、そのために書いた本です。これを越境と呼んでいますが、越境をしてくれる人たちが、この本を読んで1人でも2人でも増えてくれると嬉しいです。

 

Book List

ジョナサン・アイブ』リーアンダー・ケイニ― (著)    日経BP

デザインが日本を変える 日本人の美意識を取り戻す』前田育男  (著) 光文社

SHIFT:イノベーションの作法』濱口 秀司 (著) ダイヤモンド社

[濱口 秀司]のSHIFT:イノベーションの作法

イノベーション・スキルセット~世界が求めるBTC型人材とその手引き』田川 欣哉  (著)  大和書房

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