花まる学習会 高濱正伸が語る 激しい時代の変化と新しい教育観 “教育だけは機会均等に”

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「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸とした、新しい「塾」として注目される花まる学習会の、高濱正伸氏。高濱氏が新しい時代の教育観と必読の最新書籍2冊を語る。

 

花まる学習会代表。算数オリンピック委員会理事。日本棋院理事。

1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。

1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。

また、障がい児の学習指導や青年期の引きこもりなどの相談も一貫して受け続け、現在は独立した専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」として運営している。

 

アンテナを立てている人から情報を集める

ーー 「はなまる学習会」だけではなく、高濱さん個人としての発信もありますが、情報はどのように集めているんですか?

高濱:何よりも大事にしているのは、「アンテナを立てている人から情報の取捨選択を行なうこと」です。つまり、誰がその情報を発信しているか・拡散しているかです。

人生経験を積めば積むほど、長く付き合っていける人を話してすぐに判断できる。僕がまだ若かったころに知った考え方ですが、最近さらによく実感しています。

僕自身もNewsPicksのプロピッカーとしても活動をしている中で、そこでお話しする方々には特にそうです。落合陽一さんや堀江貴文(ホリエモン)さん、安宅和人さんなどは、自分の専門なり関心対象なりについて極めて詳しい。その上、最新の情報も常に使える知識として装填されバージョンアップされている感じです。

「インターネットで簡単に調べられる」みたいな論調もありますが、こうして傑出して活躍をしている方は、情報の広さと正確さと深さが違うと思います。

だからこそ、「彼らの見ている世界を感じてみたい」とSNSをフォローしているだけでも、自然と良い情報に出会えますね。

そうすると、ネットニュースの信用できない偽情報に惑わされることもありません。

偽情報ではなくとも、批判のために生まれた「批判」だったり、必要以上に人々を煽る情報だったりを避けられるようになるだけでも、大きな価値があると思います。

どんな時でも、問題の見えない本質を捉えて理解していくことが重要なのかもしれません。

 

学び続けるのは当たり前

ーー 「生涯学習」が注目されていますが、幼児教育に携わっている高濱さんはどのように捉えていますか?

高濱学び続けるっていうのは、もはや当たり前の時代になってきているのかなと考えています。

例えば、私が社会人になった頃は、日本という国自体がどんどんと成長していくような大きな流れがあって、勝手に自分たちも上がっていけるような感覚でした。ですが、今はそれとは対極にあると思いますね。

時代の変化は凄まじいものがあります。安宅和人さんの『シン・ニホン』でも書かれているように、まさに指数関数のように変化の大きさがどんどん大きくなってきている。

私自身、日本棋院の理事として囲碁界の動向には注目していて、中国のトップ棋士であるカケツ氏が、DeepMind社のAlphaGoに完敗するのを見ていました。ほんの数年前には、人間をテクノロジーが勝ることはないと考えられていただけに衝撃的な光景でしたね。

囲碁だけではなく、多くのことが想像もできないような変化を起こしています。この激的な変化の中では、学びを捨てた人は生きていけない。

シン・ニホン』は、その変化をていねいに示してくれた後に、私たちに必要な考え方・行動を提示してくれます。まさに10年に1冊の名著。ぜひ皆さんに読んでみてほしいです。

 

教育だけは機会均等

ーー 花まる学習会も含め、教育することに関わっていらっしゃいますが、「教育」で最も重要なことは何だと思いますか?

高濱:ただ一つ、教育だけは機会均等であるべきだと考えています。

「学校を作らないんですか?」と何度か聞かれたことがあります。ですが、むしろ私は公立学校の教育にこだわっていきたいんですよね。

頑張りたいと思った子どもが、頑張りたいと思った分だけ努力することができる環境を整える。これを突き詰めなければ、私立には通えない家庭の子がのし上がるチャンスは減ってしまいます。

この国をよくしていくための、教育者としての使命だと考えています。

明治維新以来、ずっと続いてきた学校制度を、仕組みから変えていくことが正直なかなかできない状況です。教育委員会の人ともお話しすることは多いものの、やはり難しい問題だなと実感させられるばかりなのも事実です。

1人ひとりはとても良い人なのですが、、、。親御さんも、学校教育には疑念を抱きつつも、学校には通わせておきたいと考える気持ちもわかりますし、現場からも変化が求められていない難しい状況なのだと思います。

ただ一方で、今回の感染症で、オンラインでの教育サービスが無料で体験できるようになっていますよね。このタイミングで、もしかしたら教育にも大転換が訪れるかもしれないと少しだけワクワクしています。

 

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