花まる学習会 高濱正伸が語る 激しい時代の変化と新しい教育観 “教育だけは機会均等に”

「選ぶ」がキーワード

ーー 花まる学習会は、幼児教育を重視されています。おもしろい教材なども多くありますが、その発想はどこから来ていますか?

高濱現場での観察がほぼすべてです。花まる学習会を始めた頃には、子どもたちの観察に多くの時間を使いました。

特に重要視していた問いが「なぜ子どもはやる気をなくすのか?」です。その過程で、間違えた時にバツをつけられたり、周りの子どもが遊んでいたらそっちに流れてしまったりと、だんだんとわかってきました。

もちろん、小学5,6年生を超えてくると、勉強で間違えた場所については復習して次に活かすことが求められますが、そもそも勉強に対するモチベーションを保ってもらえるような努力を最大限に行なっていますね。

また、大人に近づくにつれて、発想力の部分がとても重要になります。何度やっても同じような問題を解くことができない子には共通点がまさにその発想力です。

たとえば、計算力が足りないから問題ができないのではなく、図形に適切な補助線を引けないからできない。こういうことがほとんどなんです。だからと言って、発想力がほしいから後から鍛えるというのは難しい場合が多いです。

それを養うには、幼い頃から思考力・発想力を鍛えることが重要ということです。

花まる学習会は、「メシが食える大人」「モテる人」、言い換えれば「自立・自活できている大人」「魅力的な人」を育てることを目指しています。

では、逆にそうなれない人の問題は何か。問題の根本は「やらされ」にある。この状況を打破するためには、「選べる」大人になるしかない。

「選ぶ」がキーワードで、自分で選んで決めたことをやり通すことが重要です。

うまくいくこともいかないこともあるけれど、それを幼児期に経験する。これが中学生くらいになってしまうと、失敗と成功を繰り返されづらくなってしまいます。だからこそ、幼児教育に着眼して僕は活動しているんです。

 

ーー 最後になにか一冊オススメの本があれば教えてください。

高濱:『21世紀の啓蒙』は子どもを持つ親にぜひ読んでみてほしい一冊です。『シン・ニホン』と合わせて読むことで、今という時代の大きな流れを読み取ることができると思います。

大きな時代の流れを自分たちで解釈し、現在の教育を疑い、行動に移していく必要があります。つまり、子どもだけが頑張るのではなく、親もそれ以上に頑張る必要に迫られているということです。

教育のための本もたくさんありますが、その本のノウハウが我が子にマッチしているのかどうかは親自身が考える必要がありますよね。それと一緒です。

その意味では、親子がどちらも学び続ける新しい教育の形を追い求めるフェーズに入っているかもしれません。「学び続ける」ことで、変化の大きな時代を乗り越えていけるようにしていくことが不可欠です。

 

Book List

21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩』 スティーブン ピンカー (著) 草思社

シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』 安宅和人 (著) NewsPicksパブリッシング

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