“仕組み作りが起業家の仕事” 『寺内正樹』が選ぶ経営者のための6冊 -前編-

業界のトップを走る「プロフェッショナル」が薦める本とは?読書をもっと面白くする実名ソーシャルリーディングアプリReadHubが、独自インタビューをお届けするReadHubTIMES。行政書士・社会保険労務士の視点から、起業家をコンサルティングする寺内正樹氏。寺内氏が「起業」を「企業」にするオススメの本をご紹介する。【Professional Library】

1974年、神奈川県出身。湘南高校、慶應義塾大学法学部卒業。
イベントディレクターを経て、2002年、28歳で行政書士事務所を開設。

誰にでも理解できる「絶対的なわかりやすさ」と自分自身の経験から培った「本音のコンサルティング」で、全国500社以上の起業家の独立開業、個人事業者の会社設立、中小企業経営者の事業化・組織化・仕組化を支援している。

2005年、お客様のニーズに、より幅広く応えるため、社会保険労務士の登録を行なう。
他士業・異業種との豊富なネットワークを構築する中で、多くの会社の「最初の相談窓口」としてのポジションを確立し、小さな「起業」から大きな「企業」に変化していくための戦略・戦術を伝え続けている。

2010年、株式会社シリウスを設立し、代表取締役に就任。
日本企業の海外進出をサポートし、日本の国際的地位の向上にも意識を向け続けている。

2018年より月・火星等、地球を超えて宇宙でのビジネス展開をサポートする事業も開始。

実務経験ゼロのまま事務所設立へ

私は大学の法学部に入ってから、奨学金を得ようとする過程で弁護士を目指すことを決意しました。法律関係の勉強は性に合っていたようで、勉強を楽しく感じることはできたのですが、試験勉強という意味では別でした。27歳の時に6回目の司法試験に落ちたところで、別の道を考えることにしました。

28歳というと、一般の企業に就職した大学同期の友人たちが部下を育て始めている頃です。同じように司法試験を受けていた友人と少しずつ焦りを覚え始めていました。

 

そこで目をつけたのが行政書士でした。もともと弁護士を志した理由も「裁判をしたい」ではなく、「お客様の相談に乗って解決したい」だったため、その意味でも行政書士は私にとって良い選択肢でした。

合格して勤め先を探し始めたものの当時は実務経験のない私を採用してくれる事務所には巡り会えず、実務経験ゼロのまま独立し事務所を立ち上げることになりました(笑)。やっているうちに会社の設立が自分の事務所の強みになっていって、社労士の資格も後から勉強してとりました。

 

労務管理は答えがない

社労士は人事労務の専門家と言われています。「お客様の相談に乗って解決したい」と考えていた私にとっては、行政書士の緻密にステップをクリアしていく許認可業務と異なり、ケースバイケースで明確な正解が必ずしもあるとは限らない労務管理の案件に取り組むのは、新鮮な楽しさがありました。

どのようにしてお客様と信頼関係を築いていくのかという直接的な業務に入る前から仕事は始まり、会社を経営していく上で、どのようにすれば、会社にとっても社員さんにとってもベストな環境を作り出せるのかを考えていくことのが労務管理の仕事です。

 

最低限のルールは法律によって決められているわけですが、それを超えた先の問題が生じやすいのが人に関わるトラブルです。

人の感情が絡むことで、どうしても答えのない調整が必要になります。似たようなケースはあっても、まったく同じケースはありません。難しいですが、だからこそやりがいも感じられ、だんだんと「労務管理」の分野にのめりこんでいきました。

私は行政書士と社会保険労務士という2つの資格を活かして、労務管理を始めとした中小企業の経営者のお悩みを解決していくのが仕事です。今までに1000人を超える多くの個人事業主、会社経営者の悩みを伺ってきたわけですが、事業を始めて、いずれぶつかるであろう悩みが具体的に書かれていて、衝撃を受けたと言っても過言ではないのが『初めの一歩を踏み出そう』です。

 

経営者には3つの人格があります。「起業家」「マネージャー」「職人」の3つです。その中でも「職人」の人格には注意が必要です。起業してすぐはリソースも多くないので、経営者が現場の仕事をこなすことはよくありますよね。

でも、経営者が現場に張りついている状況のままだと、その先の事業の安定や拡大を目指すための戦略をいつまでも考えることができず、成長速度がにぶくなります。「職人」としての現場仕事に時間を割かれ、「起業家」本来の考える仕事ができなくなってしまっている状態です。

事業をスタートする段階で、そのことを意識して始められるか否かは、その後の展開に大きな差をもたらします。これは、事業のスタート時点だけの話ではなく、すでに事業を始めている方も陥りがちな落とし穴です。そうしたことを再確認する意味でも、私自身もいまだに繰り返し読むようにしている本です。個人事業主、経営者の方は、ぜひ読んでおくべき一冊だと思います。

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