読んだ本を1つの行動に移す
読書の主たる目的は、そこで学んだことを何かに活かすということだと思います。「良い本」と言われる本だからと言って、全編が完璧ですべて読み込むべき本かといえば、そうではない場合が多いです。
速読が一時期世間で話題となったが、あれもたくさん読むだけではなく、どれだけその後の自分に残っているのかが重要であるという、手段としての読書の良さを見失っていると思います。
そのため、私は一冊の本につき、1つくらい何かの行動につなげることができたらいいのかなと考えています。極端な話、1つ学びがあって行動に移せそうであればその本はもう読まなくてもいいかなとさえ思ってしまうほどです。
私も本を何冊か書いていますが、読者の行動を1つでも変えることができたなら本望だと考えるので、私自身が読書をするときにも同じように考えています。
すべては仕組みのせい
私の専門性はここまで話してきたことからもわかるように法律系なので、自著の書籍もすべて法律関連になっています。その中でもご紹介したいのが『仕事の当たり前は全てルールにまとめなさい』です。
簡単に言うと「ルールを作ることで会社はもっと良くなります」ということを具体的な方法論と一緒に書いた本です。人事評価制度を始めとして、ルールというものに対して、「縛られている感じがする」と抵抗を持っている人は多くいます。
でも、スポーツに置き換えて考えるとどうでしょうか。ルールでプレイするエリアを区切られているからこそ、秩序が生まれて戦術などを含んだ面白いゲームになります。
国外に目を向けて、GAFAの例を考えると、何か問題が起きたときにはGAFAでは誰か人のせいにするのではなく、すべて仕組みのせいだと考えます。
結局、仕事が属人化し、人に依存してしまうと、その人がいなくなってしまっただけで損失を被ることになります。「仕組み化をすることによって、人を大切にしない方向にいくのではないか」と考える人もいます。
ですが、私に言わせればむしろ逆で、ある人に依存することでそこからその人が抜けられない状況の方が、人を大切にすることができていないと思います。
本当に人がするべき仕事というのを見極め、企業としての一番良い状況を作り出す手段としての「仕組み作り」が日本の企業に広がっていくことを願っています。
※インタビューをもとに作成
インタビュー:青木郷師、文章:高井涼史
Book List
『鈴木さんの成功。』 星 渉 (著) マネジメント社
『“極意”「多店舗展開」で絶対失敗しない法』 加納聖士 (著) サンクチュアリ出版
『仕事のあたりまえは、すべてルールにまとめなさい!』 寺内 正樹 (著) クロスメディア・パブリッシング
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