「読書での学びは“分からない”から」 面白法人カヤック代表取締役CEO 柳澤大輔が語る読書術。

業界のトップを走る「プロフェッショナル」が薦める本とは?読書をもっと面白くする実名ソーシャルリーディングアプリReadHubが、独自インタビューをお届けするReadHubTIMES。学生時代の友人たちと面白法人カヤックを立ち上げ、「面白がる」を探究してきた柳澤大輔氏。読書を習慣としている柳澤氏が、価値観を変える読書を可能にする読書術を、自身の体験を交えながらご紹介する。

1974年香港生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、ソニー・ミュージックエンタテインメントに入社。

1998年、学生時代の友人と共に面白法人カヤックを設立。鎌倉に本社を構え、鎌倉からオリジナリティのあるコンテンツをWebサイト、スマートフォンアプリ、ソーシャルゲーム市場に発信する。

主要事業のほかにもカヤックが運営していた飲食店「DONBURI CAFE DINING bowls」の立上げや2009年、ビンボーゆすりを科学したプロダクト「YUREX」の開発のプロデュースにたずさわる。

100以上のWebサービスのクリエイティブディレクターをつとめる傍ら、2012年カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル、2010年東京インタラクティブ・アド・アワード、2009~2015年Yahoo!インターネットクリエイティブアワードなどWeb広告賞で審査員をつとめ、著書に「面白法人カヤック会社案内」(プレジデント社)、「アイデアは考えるな」(日経BP社)、「鎌倉資本主義」(プレジデント社)、「リビング・シフト 面白法人カヤックが考える未来」(KADOKAWA)などがある。

ユニークな人事制度(サイコロ給、スマイル給)や、ワークスタイル(旅する支社)を企画し、「面白法人」というキャッチコピーの名のもと新しい会社のスタイルに挑戦中。

2015年株式会社TOWの社外取締役、2016年クックパッド株式会社の社外取締役に就任。

 

すべての起点は「面白がる」

カヤックは1998年の創業時から「面白法人」を名乗っています。これは大きく3段階の思いに分解されます。

1. まずは、自分たちが面白がろう。

2. つぎに、周囲からも面白い人と言われよう。

3. そして、誰かの人生を面白くしよう。

(面白法人カヤック「1. 面白法人に込めた思い」)

自分たちで「面白法人」を名乗る以上は、私たちがまず「面白がる」ことから始まります。現在カヤックでは、ゲーム関連事業や地域資本主義事業ほか、様々な事業に取り組んでいますが、その起点にあるのは常に「面白がる」です。

失敗することも少なくないし、時には誰かを怒らせてしまうことをもあります。ですが、私だけではなくチームのみんなが、「面白い」と感じたことを形にして発信してみる。そこでいただいたフィードバックやアイデアをさらに磨いていくことで、「世の中の人を面白がらせる」ことを目指しています。

 

発信することで加速する

2018年に出版した『鎌倉資本主義』は、地域の持続可能性を上げるための新しい「幸せの指標」を提案する、いわばマニフェストでした。

今までのカヤックでの実践の積み重ねを経て生まれた、「鎌倉資本主義」という概念が生まれた瞬間の考えを切り取った本です。この本にその時の考え方を凝縮して発信したことで、何も発信せずにただ考え込んでいた時よりも、アイデアや施策が磨かれる速度が速くなった感覚がありました。

これまでも、記事などで発信することによってこの感覚を得ていたので、本に限らず発信することの重要性は感じています。

 

50冊読めば業界が分かる

「面白がる」ためには、まず面白くなくなってしまう理由から考えることが重要です。そういう時には、同じ論点の本を何冊も読んで、多面的にそのテーマを捉えるようにしています。

昔から言われているのは「どこかの産業に参入する時には50冊くらい読めばいい」。これを実践してみると、様々な本で内容が重複している部分に気づき、大事なところが見えてきます。

 

この短期的なインプットの秘訣は「頭の処理速度を上げて読む」ことです。

目次を先に見て読む場所を選んで読むとか、具体例を飛ばして読むとか。様々な速読が世の中にありますが、そういった「読む量を削る」速読ではなく、単純に「読む速度を上げていく」速読ができると良いと思います。

実際、資本主義の限界について知ろうと思った時には、約40冊を短期間で読み、それらからの要点を抽出して「鎌倉資本主義」の検討に活かしました。

 

本のエッセンスとも呼ぶべき部分だけが印象に残っていくので、それぞれの本の主張を明確に覚えているわけではありませんが、『エンデの遺言』は参考になりました。「お金の支配」とそれに伴う問題意識・対する新たな通貨の形の提案が書かれていたので、「鎌倉資本主義」にご関心がある方は、一緒に読んでみると面白いと思います。

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